病院について

令和5年度 仙台厚生病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 61 230 295 829 1,822 3,442 5,677 3,662 1,063
 地域の医療機関から多くのご紹介を頂き、さらに救急患者さんも積極的に受け入れているため、当院には幅広い年齢層の患者さんが入院しています。
 10歳・20歳代では自然気胸、腸炎などの入院が、30歳・40歳・50歳代では不整脈や狭心症での入院、睡眠時無呼吸症候群疑いの検査入院などが多くなっています。
 当院においても60歳以上のご高齢の患者さんが多く、肺癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌など悪性腫瘍での入院が増加します。また、循環器疾患では、心房細動、狭心症、心臓弁膜症、腹部・胸部大動脈瘤などによる入院が多くなっています。

 患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺癌 検査入院(肺生検)あり 457 2.34 2.98 0.44% 71.33

気管支鏡検査

030250xx991xxx 睡眠時無呼吸症候群 検査入院(終夜睡眠ポリグラフィー)あり 326 2.00 2.03 0.00% 56.54

睡眠時無呼吸症候群

040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術なし、処置なし 264 15.49 18.65 7.95% 72.61

間質性肺炎

040040xx99040x 肺癌 化学療法あり 149 4.37 8.33 0.67% 68.74

化学療法

040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし、処置なし 135 18.50 20.60 18.52% 86.09

誤嚥性肺炎

 肺癌:呼吸器内科では肺癌の患者さんが、6割程度と最多です。気管支鏡検査(迅速細胞診も可能)入院や化学療法、放射線治療目的の入院などがあります。化学療法は、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害療法や殺細胞性抗がん剤治療など併用療法を含めて幅広く行っています。

 睡眠時無呼吸症候群:簡易検査などで、睡眠時無呼吸症候群が疑われた方が、睡眠時ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行うための入院です。土日も検査入院は可能です。評価によって、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)や下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

 間質性肺炎:慢性的な進行や急速に症状が悪化する(急性増悪)時に治療を目的とした入院があります。治療としては、急性期から慢性期まで幅広く、画像や症状など多面評価をして抗炎症薬や抗線維化薬などを検討していきます。特に令和4年度から、気管支凍結生検(クライオバイオプシー)の導入を開始し、病理所見を加えることで、より治療がスムーズに出来るようになってきております。

 誤嚥性肺炎:24時間体制で救急医療にも力を入れておりますが、急性呼吸器疾患の中で高齢者の誤嚥性肺炎が多数を占めていると考えます。適切な抗菌薬を投与しながら、できるだけ、全身状態を落とさないように心がけながら、治療にあたっております。

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺癌 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等あり 201 9.91 9.89 0.50% 69.05

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

040200xx01x00x 気胸 胸腔鏡下肺切除術あり 73 7.78 9.54 0.00% 28.03

気胸手術

040200xx99x00x 気胸 手術なし、処置なし 20 7.00 9.17 0.00% 31.70

気胸手術なし

040010xx01x0xx 胸腺腫 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術等あり 14 8.43 8.84 0.00% 62.71

胸腺腫瘍手術

040030xx01xxxx 肺良性腫瘍、手術あり 10 9.10 8.53 0.00% 60.20

胸腔鏡下肺切除術(部分切除)

【低侵襲手術について】
 当科では、肺病変および縦隔(肺にかこまれた胸部中央の領域)病変の外科的治療を担当しております。特色としましては、年間の9割以上の症例で胸腔内の状況を胸腔鏡と呼ばれるカメラを使用してテレビモニターに映し出し、それを見て手術を行う“完全胸腔鏡下手術”を行っている施設であることです。脇の肋骨の間に3カ所の小さな創部だけで手術を行っており、“低侵襲”な方法であると同時に、カメラを見たい部分に近づけることで拡大視することができるため“安全”な手術であります。これにより患者さんの負担が少なく、回復が早く、より早期の社会復帰を目指せるという大きなメリットとなります。術者のみならずカメラ操作を行う助手にも技術が必要ですが、当院ではこの方法を東北地方においていち早く取り入れたことで、ここまで十分な実績と経験を積んでおり、安心して沢山の患者さんにその治療を提供できると考えております。
 
【原発性肺癌について】(『肺癌 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等あり』に相当します)
 原発性肺癌では、腫瘍の病状と患者さんの全身状態に応じて、手術内容(切除範囲)を決めています。
 一番多い方法は、現時点での原発性肺癌に対する標準術式である「肺葉切除」で、これをほとんどの患者さんに対して、「完全胸腔鏡下」ないし「ロボット支援下」に安全に行い、早期社会復帰を実現しております。
 一方、肺は再生しない臓器であり、切除したら切除した分だけ確実に肺活量が減少しますので、原発性肺癌でも病変が早期と考えられる場合や、ご高齢の場合、あるいは呼吸機能が悪い場合などでは、術後の肺活量を温存する=術後の生活の質を少しでも損なわないために、切除範囲を少なくした“縮小手術”である「部分切除」や「区域切除」も積極的に行っています。他臓器癌の肺転移に対しても、積極的に切除を行っております。ご高齢や呼吸機能が悪い状態でも、可能な手術方法を検討して提案いたします。
 さらに、癌の治療は手術で終わりではなく、必要に応じて当院呼吸器内科で術後の補助化学療法の追加施行を考慮し、切れ目のない治療を提供しておりますので、是非安心して当院にいつでもご相談ください。
 
【気胸について】(『気胸 胸腔鏡下肺切除術あり』・『気胸 手術なし、処置なし』に相当します)
 肺嚢胞性疾患(気胸など)の入院も多く、ほとんどが胸痛・呼吸苦などの突然の症状が出ます。肺嚢胞性疾患(気胸など)のうち約65%は気胸の患者さんです。当院呼吸器センターでは24時間体制での受け入れ体制をとっておりますので、いつでも安心して受診ください。
 また、気胸は肺の一部が破れることで発症する病態である、手術を行わなくとも破れた穴が自己治癒で塞がればとりあえず改善しますが、初発の方で手術による原因部分の切除を行わない場合の再発率が50%と高率であり、再発の方ですと更にその確率は上昇しますので、原因部分の切除は重要な治療です。当院では気胸の全患者さんに低侵襲な完全胸腔鏡下手術を行い、早期に通常の生活に安心して戻れるように貢献しております。
 当科は毎日手術室を使用でき、また麻酔科医師や手術室スタッフの協力もあり、手術を行うとなれば一日でも早く行えるような環境にあることも、患者さんの早期社会復帰に寄与できると考えております。
 さらには、気胸は大半が20歳前後の若年男性に発生するのですが、この年代は高校生や大学生といった学生ですので、一旦手術を回避して改善を得られたとして、その後夏休みなどの長期休暇を利用しての手術希望などにも柔軟に対応しておりますので、どうぞご相談ください。
 
【縦隔腫瘍について】(『胸腺腫 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術等あり』に相当します)
 左右の肺で囲まれた、胸の中央のスペースを縦隔と呼び、ここに出来た腫瘍を縦隔腫瘍といいます。特に、心臓より前にある臓器の胸腺、という部分に出来る腫瘍の頻度が高く、これを胸腺腫といいます。この腫瘍に対しても、サイズが大きくなく、また血管など周囲の重要臓器への浸潤が無ければ、低侵襲で負担の少ない胸腔鏡下手術での切除を行っております。
 ただし、腫瘍が非常に大きい場合、周囲重要臓器への浸潤がある場合、特殊な自己抗体が採血で陽性となっている場合などでは、胸の前方真ん中の骨である、胸骨を縦に離断して行う胸骨正中切開での切除となることもあります。
術前の検査を十分に検討して、より最適と考えられる手術方法を提供しております。
 
【肺癌が否定できない肺のしこりについて】(『肺良性腫瘍、手術あり』に相当します)
 様々な検査で肺にしこりが発見され、肺癌が否定できない方にも診断および治療を兼ねた手術を行っております。限局した肺炎の跡(炎症性肺腫瘤)や、特殊な細菌による感染(肉芽腫)が見つかる場合があります。肺癌とは違い、元来良性疾患ですので、出来うる限り切除範囲は最小限に留めることで、術後の肺活量を温存する手術方法を考えます。切除した肺の中に目的である腫瘍を確認して、これを手術中に病理専門医に依頼して、顕微鏡検査で細胞レベルでの診断を確認しております。手術で病変を切除し、またこの場合は良性であることが確認されますので、不安のない術後の生活をお過ごし頂いております。
 
循環器内科・不整脈科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術(ABL)あり 769 3.46 4.57 0.00% 65.91

アブレーションパス(PSVT)

050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 処置なし 580 2.38 5.97 0.69% 70.02

薬剤的・電気的除細動(頻脈性不整脈)

050050xx0203xx 狭心症 経皮的冠動脈ステント留置術等あり、心筋シンチグラフィー検査あり 554 6.66 9.40 0.72% 71.40

PCI説明用紙(橈骨アプローチ5日入院用)


PCI説明用紙(下肢アプローチ 5日入院用)

050050xx9910x0 狭心症 検査入院(心臓カテーテル検査)あり・転院なし 321 2.52 3.05 1.25% 69.52

心臓カテーテル検査(上肢アプローチ)


心臓カテーテル検査(下肢アプローチ)

050050xx9900x0 狭心症 手術なし 処置なし 274 2.78 5.95 0.73% 69.14
頻脈性不整脈
 循環器に関する緊急疾患は、狭心症や心筋梗塞だけにとどまらず、不整脈(特に頻脈性)の患者さんの受け入れも積極的に行っています。心臓が急激にドキドキする「動悸」は、昼夜を問わず突然の症状として現れ、救急車で当院に搬送されるケースが増加しており、当院に入院される患者さんの最も多い原因としては不整脈疾患の方となります。
 頻脈性不整脈の治療は患者さんの病状に合わせて選択され、薬物治療や経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)が主な方法として用いられます。経皮的カテーテル心筋焼灼術は、最新の3Dマッピング技術を使用して、不整脈の原因となる心臓内の異常な信号を特定し、その後、カテーテルを用いて該当部位を焼灼(熱を加える)あるいは冷凍して壊死させる治療法です。以前は薬物治療が主流でしたが、この手術により根本的な治療が可能となり、現在では頻脈性不整脈治療の不可欠な選択肢となっています。
 当院では、2泊3日の入院を基本とし、患者さんの入院の負担を軽減する取り組みの結果、当院の平均在院日数は3.21日となっております。
 頻脈性不整脈で入院するも手術をしない患者さんの多くは薬物による治療を行うか、自然に軽快して経過観察目的となる方が大半となりますが、その中でも将来的に手術を要する患者さんもいるため、退院したから大丈夫ではなく、今後どのようなフォローをした方が良いのか担当医よりきちんと確認して適切に対応しましょう。

経皮的冠動脈ステント留置術
 心臓に栄養を送っている血管を冠動脈といいます。虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は冠動脈が狭くなり、充分な血液が心臓にいきわたらなくなる病気です。経皮的冠動脈ステント留置術とは狭くなった冠動脈を拡げる治療法です。ステントという金属製の網状の筒を冠動脈内に挿入し、狭くなった血管を内側から支えます。この治療により心臓に充分な血液がいきわたるようになります。当科で最も力を入れている分野です。 
                                        
急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術
 急性心筋梗塞とは冠動脈が急に、そして完全に詰まってしまう病気です。そのため治療が遅れると死に至ることが多く、緊急で治療を行う必要がある疾患です。治療方法は、先ほど説明した経皮的冠動脈ステント術です。病状は分単位で変化しますので一刻も早い治療が必要になります。そのため、患者さんの緊急受け入れ態勢が整っている必要があり、当科ではその受け入れを365日・24時間体制で行っています。
 また、病院搬入から冠動脈を再開通させるまでの時間は病院ごとに差があり、当科ではこの時間短縮を目標として掲げ、治療を行っております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症 弁置換術等あり、中心静脈注射あり 86 19.53 21.52 2.33% 67.01

弁置換術・形成術

050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤 開胸手術あり、中心静脈注射等あり 50 27.40 28.09 16.00% 68.28

人工血管置換術

050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術あり 47 8.49 10.42 2.13% 75.87

冠動脈バイパス術

050050xx0101xx 狭心症 冠動脈、大動脈バイパス移植術あり、中心静脈注射あり 46 21.89 21.38 2.17% 64.89

胸部大動脈瘤ステントグラフト挿入術


腹部大動脈瘤ステントグラフト挿入術

050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 開胸手術あり、中心静脈注射等あり 29 25.00 27.58 13.79% 69.34

人工血管置換術

 ①弁膜症・弁形成術 弁置換術 小開胸弁形成術置換術
 心臓には4つの弁があり、この弁が狭くなる、あるいは逆流をおこすために心臓に負担がかかっている状態を弁膜症といいます。坂道を歩いてのぼる時などに、息切れ・動悸などを自覚するようになります。当院では、循環器内科で患者さんの病状の評価を行い、内科外科の垣根なく、治療のタイミング、外科手術か、カテーテルによる弁膜症手術かを検討し、適切な治療法を提案致します。手術用ロボット、胸腔鏡を用いた小開胸アプローチの心臓手術が主となっており、より早期の日常生活への復帰を可能にしています。

 ②解離性大動脈瘤 オープンステントグラフト併用人工血管置換術
 急性大動脈解離は突然に激しい胸背部の痛みで発症します。大動脈の壁に亀裂が入り、竹を割るように全身の大動脈に亀裂が進展する病気です。心臓に近い大動脈は解離した場合、重篤で、解離が進展する血管の枝によっては、心筋梗塞、脳梗塞、消化管壊死、下肢虚血、下半身麻痺を併発することがあります。早急な診断と治療なしに生存することはできません。
 心臓に近い大動脈に解離があるA型解離では救命目的に緊急に開胸、人工血管置換術を行うことが必要です。全身の大動脈が広範に解離している場合も、当院ではステントグラフトを併用してできる限り、広い範囲を治療することで治療の完成度を高めています。背中側の大動脈解離のB型の場合、ステントグラフト内挿術を行うことで破裂、臓器障害を治療して救命します。早期対応が生死を分ける疾患です。当院では循環器内科、および心臓血管外科が24時間常勤して救急対応ができる体制をとっています。

 ③⑤非破裂性大動脈瘤(人工血管置換術、ステントグラフト内挿術)
 大動脈瘤の中で主として動脈硬化のために血管が弱くなり、膨らんでくる動脈瘤を真性大動脈瘤といいます。大動脈が拡大しても無症状であることが通常ですが、破裂すると直接命に関わります。大動脈瘤の大きさ、形状から判断して適切なタイミングで予防的に治療する必要があります。
 大動脈の手術は開腹または開胸でアプローチして瘤化した大動脈を人工血管に取り替える手術(人工血管置換術)と形状記憶合金のバネ付きの人工血管を瘤の中に留置するステントグラフトを内挿、留置する手術(ステントグラフト内挿術)があります。人工血管置換術は、人工心肺装置を用いる手術で、脳血管、腹部分枝血管の分岐する部位の大動脈瘤の場合に適応になります。ステントグラフト内挿術は低侵襲であるため、瘤の位置、脳血管等の分枝との位置関係で条件を満たす場合適応となります。どちらの治療法を行うか。動脈瘤の形態、患者さんの体力、年齢等から慎重に検討して行っています。

④冠動脈バイパス移植術
 狭心症や心筋梗塞の診断は循環器内科で行い、カテーテル治療か冠動脈バイパス手術をそれぞれの患者さんの状況に応じて適切な選択を行なっています。当科では両側内胸動脈、腕の動脈を積極的に使用し、長期のグラフト開存率を考えた手術を行うようにしています。また、人工心肺を簡略化したミニポンプを使用することにより、たとえ、心機能が低下した患者さんに対しても安全に多くの枝にバイパスすることを常に考え、治療を行っています。
 
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術あり 1,688 1.82 2.61 0.00% 67.48

内視鏡的大腸ポリープ切除術

060020xx04xxxx 胃癌  内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術あり 271 7.20 7.61 0.00% 74.24

内視鏡下胃粘膜切除術

060340xx03x00x 総胆管結石症  内視鏡的乳頭切開術等あり 192 6.53 8.75 3.65% 75.72

ERCP

060130xx9900xx 食道・胃・十二指腸・他腸の炎症 手術なし、処置なし 103 4.42 7.63 0.97% 61.09

急性腹症

060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患  手術なし、処置なし 95 5.40 7.58 0.00% 67.44

大腸憩室炎

【当院の特徴:苦痛の少なく精度の高い内視鏡検査・治療】
 消化器内科では全消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)と胆道(胆嚢・胆管)や膵臓の検査・治療を行っております。
 内視鏡検査時には積極的に鎮静剤を使用し、苦痛の少ない検査を提供しています。また、経鼻内視鏡や飲み込むだけのカプセル内視鏡(小腸用、大腸用)や前処置や検査が楽な仮想内視鏡検査と言われている大腸CT検査を導入しています。
 当科では、迅速かつ正確で安全な内視鏡検査を心掛けています。お腹を切らなくてもすむ内視鏡治療が可能な段階で癌を発見するために、最新式ハイビジョンカメラや拡大機能、特殊な光(NBI)、色素などを用いて、精度の高い検査を実施しています。更に最大倍率が520倍まで可能な超拡大内視鏡も上部・下部内視鏡検査ともに導入しています。また、発見された癌に対して超音波内視鏡という腫瘍の断面の画像が得られる内視鏡を使い、内視鏡治療のためにより精度の高い検査を実施しています。
 早期胃癌や早期大腸癌では内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)を積極的に多数行っています。近年大腸ポリープ・大腸癌が非常に増加傾向にありますが、小さな大腸ポリープは外来や日帰り入院で大腸検査時に内視鏡切除も可能となっています。
 また、診断や治療が難しい胆道・膵臓疾患に数多く取り組み、超音波内視鏡下穿刺吸引法などの最新の検査・治療を用いて胆道・膵臓の治療に役立てています。胆管領域では緊急性の高い総胆管結石による閉塞性黄疸や胆管炎に対して、緊急内視鏡による治療(内視鏡的乳頭切開術や胆道ステント留置術など)を行っております。
 さらに胃・十二指腸・大腸、小腸を含めた炎症性疾患や憩室性疾患、消化管出血の診断・治療を数多く受け入れています。特に、上下部内視鏡検査をしてもどこから出血したかわからない消化管出血(原因不明消化管出血)は小腸からの出血の可能性があり、小腸内視鏡検査を施行している施設以外は診断・治療が困難です。当科は東北地区でも最も早く小腸バルーン内視鏡・小腸カプセル内視鏡を導入し、小腸疾患の検査・治療を多数行っています。
 胃・十二指腸潰瘍出血、食道静脈瘤破裂、大腸憩室出血、小腸出血など、消化管出血は緊急性が高いため、24時間対応できる体制を整えています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 結腸癌 結腸悪性腫瘍手術等(開腹、腹腔鏡下含む)あり 126 14.50 15.12 0.79% 70.10

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

060335xx02000x 胆嚢炎を伴う胆嚢結石症 腹腔鏡下胆嚢摘出術あり 105 5.95 6.87 1.90% 63.58

腹腔鏡下胆嚢摘出術

060330xx02xxxx 胆嚢結石症 腹腔鏡下胆嚢摘出術あり 95 5.84 5.98 0.00% 62.02

腹腔鏡下胆嚢摘出術

060020xx02xxxx 胃癌 胃切除術あり(開腹、腹腔鏡下含む) 78 18.14 18.01 0.00% 69.74

胃切除術(開腹・腹腔鏡下)

060040xx0200xx 直腸癌 直腸切除術(開腹、腹腔鏡下含む)あり 60 14.50 14.80 0.00% 66.15

直腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

 消化器外科では、食道から胃、小腸、結腸、直腸までの消化管や、肝臓・胆道・膵臓などの腹腔内臓器に発生した病変に対する手術を行っています。高度に進行した悪性疾患(がん)、早期のがん、良性疾患など、さまざまな疾患が手術の対象となります。 
 悪性腫瘍では、胃癌や近年増加が著しい大腸癌(結腸癌と直腸癌)に対して多くの手術を行っています。良性疾患では、急性胆嚢炎や胆嚢結石症などで胆嚢を取り除く手術(胆嚢摘出術)が多くなっています。
 当科はこれらの手術では、高性能カメラをお腹に挿入し、お腹の中をモニターに映しながら手術を行う腹腔鏡下手術を第一選択としています。カメラを入れるための2cm程度の傷が1カ所と、1cm程度の傷が3-4カ所だけで大部分の手術を行うことができます。傷の痛みが少なくリハビリが進むため、術後の回復が早いことが特徴です。さらに、今年(2024年)から胃癌と直腸癌に対してはロボット支援下手術も導入しています。
 患者さん一人ひとりの疾患、病状にあわせて、最適の治療方針を提案し、提供していきます。

肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx031xxx 肝細胞癌 ラジオ波焼灼療法(RFA)等あり、肝動脈化学塞栓療法(TACE)等あり 107 13.36 13.63 0.00% 72.78

肝動脈塞栓術、ラジオ波あり

060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 107 9.72 12.91 3.74% 58.74

アルコール性肝障害

060050xx97x4xx 肝細胞癌 肝動脈化学塞栓療法(TACE)等あり、化学療法あり 50 18.66 15.88 8.00% 74.12

簡易動注パス10回

060270xx99x0xx 急性肝炎 手術なし、処置なし 34 14.47 11.77 2.94% 51.53

急性肝炎

060050xx97x0xx 肝細胞癌 肝動脈化学塞栓療法(TACE)等あり 27 11.33 10.24 0.00% 73.67

肝動脈塞栓術

肝細胞癌( ラジオ波焼灼療法 肝動脈化学塞栓療法 化学療法)
 肝細胞癌の内科的治療の主力である肝動脈化学塞栓療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法を、全国の他病院と比較しても多くの件数を施行しており、かつ件数が偏ることがなく行えているのが当院の特徴であります。2020年より免疫チェックポイント阻害剤が使用出来るようになり、治療の選択肢が増加しました。巨大な肝細胞癌や肝細胞癌破裂など状況の悪い患者さんも多く紹介されてきますが、適切な治療を導入することで予後の延長やQOLの向上に繋がっています。また、治療患者さんは全体的に高齢であるにも関わらず、状態が改善してから退院を促しているため、転院率も低く抑えられています。そして化学療法は全身化学療法だけでなく、持続肝動注療法も行っているため入院期間は約2週間となっています。
 
アルコール性肝障害
 近年、新薬の登場により、ウイルス性肝炎患者のコントロールが容易となってきましたが、アルコール性肝障害の患者数は減少していません。他院では敬遠されがちなアルコール依存症の方も断ることなく受け入れ、腹水や脳症の状態を速やかに改善させて入院期間をより短くすることにより、就労状況にも配慮した治療を行っています。また、門脈圧亢進症により難治性腹水が出ている患者さんに対し胸水・腹水濾過濃縮再静注法も行っております。断酒が基本ですが、難しい場合には、減酒治療からスタートする症例も増加しております。

急性肝炎
 様々な原因で発症する急性肝炎ですが、当院では発症原因を速やかに特定し、ステロイドパルス療法を始めとした内科的治療を早期に導入する事により後遺症を残すことなく多くの患者さんが回復し、社会復帰できています。急性肝不全や劇症肝炎発症例などの重症肝炎例も積極的に引き受けているため、在院日数は約2週間とやや長めですが、軽症例では外来通院での治療も可能です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 245 9 5 17 143 32 1 7.8
大腸癌 137 72 96 60 48 84 2 9
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 199 63 153 144 14 758 1 8
肝癌 21 62 49 16 16 187 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院では、消化器内科・外科は胃癌や大腸癌、肝臓内科は肝癌、呼吸器内科・外科は肺癌の患者さんを多く診療しています。
 胃癌や大腸癌では早期癌であるⅠ期の症例の割合が高くなっています。消化器の早期癌では、内視鏡的治療や腹腔鏡下手術といった患者さんの身体的・時間的な負担が少ない治療を主に行っています(胃癌の病期「不明」は、内視鏡により治療された症例と思われます)。肺癌においても、早期癌の場合は、胸腔鏡下手術による負担が少ない手術が多く選択されています。それぞれの診療科で、少しでも患者さんへの苦痛を少なく、また入院日数も短くしようと努力しています。  一方で、進行癌に相当するⅢ期・Ⅳ期や、再発症例も少なくありません。また肝癌では、4段階のステージがまんべんなくみられます。これら進行・再発症例については、手術療法・化学療法・放射線療法、さらに最先端の治療も組み合わせて集学的治療を行っています。
 当院では、内科・外科医とコメディカルがチームを組んで、個々の症例に最も適したオーダーメイドの治療計画を立てることにより、患者さんに寄り添って、チーム医療を行っています。

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成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 28 9.43 54.82
中等症 142 11.08 76.89
重症 51 19.20 83.59
超重症 41 13.56 81.98
不明 - - -
 市中肺炎とは、通常の社会生活を営む健常人に発症する肺炎です。重症度は、成人市中肺炎診療ガイドラインの重症度分類(A-DROPスコア)で分類しています。
 中等症以上が入院の適応とされており、当院でも中等症の患者さんが最も多くなっています。軽症でも、持病などで重症化する心配がある場合には入院で治療を行います。重症・超重症の患者さんの平均年齢は80歳以上であり、平均在院期間も重症ではほぼ20日となっています。
 市中肺炎の原因菌として最も多いのは肺炎球菌です。肺炎球菌による重症肺炎を予防するために、65歳以上の方には肺炎球菌ワクチン接種を強くお勧めします。

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脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 10 14.20 84.80 42.86%
その他 4 24.75 81.75 0.00%
 当院には神経内科、脳神経外科はありません。この1年間で14名が入院していますが、循環器疾患や呼吸器疾患で入院し、入院後の検査で脳梗塞が判明した患者さんが殆どです。
 脳梗塞急性期の場合は専門病院に転院し、治療していただきます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 30 3.40 5.57 0.00% 67.63

CVポート留置

K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 19 17.53 15.63 15.79% 79.05

CVポート留置

- - - - - - -
- - - - - - -
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 植込型カテーテル設置(CVポート)とは、中心静脈に挿入したカテーテルに接続した小さな円盤状の器具です。これを皮下に留置しておき、必要な時に体外から針を刺すと、薬剤や栄養剤(輸液)などを投与できるようになります。
 この方法は下記の4つの利点があります。
①皮膚の上から専用の針をポートに穿刺するだけで、高濃度の栄養剤や血管外に漏れると危険な薬剤でも、確実・安全に静脈内に投与することができる。
②通常の腕からの点滴に比べて針が抜けにくいため、それほど安静にする必要がない。
③使用しないときに特別な処置や管理の必要がなく入浴も行える。
④長期にわたり点滴を行う予定がある場合に感染の危険が少ない。
 このため、確実に静脈内に投与しなくてはならない薬剤に よる治療も外来で受けることができます。また、ほぼ普通に日常生活 や仕事もできるので、現在広く用いられています。また不要となれば 抜去も可能です。CVポートの手術にかかる時間は局所麻酔で30分程度となります。

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呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 140 2.20 7.14 0.00% 67.68

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 79 3.49 3.90 0.00% 29.58

気胸手術

K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 32 2.19 6.72 0.00% 72.09

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 28 2.14 6.07 3.57% 72.00

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K5132 胸腔鏡下肺切除術(部分切除) 11 2.27 6.55 0.00% 65.55

胸腔鏡下肺切除術(部分切除)

【低侵襲手術について】
 当科では、肺病変および縦隔(肺に囲まれた胸部中央の領域)病変の外科的治療を担当しております。特色としましては、年間の9割以上の症例で胸腔内の状況を胸腔鏡と呼ばれるカメラを使用してテレビモニターに映し出し、それを見て手術を行う“完全胸腔鏡下手術”を行っている施設であることです。脇の肋骨の間に3カ所の小さな創部だけで手術を行っており、“低侵襲”な方法であると同時に、カメラを見たい部分に近づけることで拡大視することができるため“安全”な手術であります。これにより患者さんの負担が少なく、回復が早く、より早期の社会復帰を目指せるという大きなメリットとなります。術者のみならずカメラ操作を行う助手にも技術が必要ですが、当院ではこの方法を東北地方において、いち早く取り入れたことで、ここまで十分な実績と経験を積んでおり、安心して沢山の患者さんにその治療を提供できると考えております。
 
【肺悪性腫瘍手術について】
 原発性肺癌をはじめとした“肺悪性腫瘍手術”では、腫瘍の病状と患者さんの全身状態に応じて、まずは手術適応の是非、そして手術内容(切除範囲)を決めて行っています。
 一番多い方法は、現時点での原発性肺癌に対する標準術式である「肺葉切除」で、これをほとんどの患者さんに対して、「完全胸腔鏡下」ないし「ロボット支援下」に安全に行い、早期社会復帰を実現しております。(『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)』に相当します)
 一方、原発性肺癌でも病変が早期と考えられる場合には、切除範囲を少なくした“縮小手術”である「部分切除」や「区域切除」の安全性、有効性が日本発信で証明されました。今後の肺癌治療ガイドラインの変更時には、これら“縮小手術”へと標準術式が変わっていくと考えられますが、これまで多数の実績と経験を積む中で、これらの術式変更にも柔軟に対応可能となっております。
 また一方で、肺は再生しない臓器であり、切除したら切除した分だけ確実に肺活量が減少しますので、ご高齢の場合、あるいは呼吸機能が悪い場合などは、術後の息切れなどにも配慮し、呼吸機能を温存して生活の質をできうる限り損なわないために、消極的ではありますが、切除範囲が少ない“縮小手術”である「部分切除」や「区域切除」も患者さんにとっては選択肢として重要ですので、適宜状態をみて対応しております。大腸癌をはじめ、他臓器癌の肺転移に対しても、積極的に切除を行っております。ご高齢や呼吸機能が悪くても、可能な切除方法を検討して提案いたしますので、どうぞ遠慮無くご相談ください。(『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)』や『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)』に相当します)
 
【気胸について】
 『肺嚢胞手術』とは、肺の一部が突然破れ、漏れ出た空気が胸の中に溜まることで肺が縮んでしまう、いわゆる“気胸”の患者さんに対して行う手術です。肺にブラ(ブレブ)と言われる風船ができ、これが破れて発症するため、その原因部分に対する治療としてブラ(ブレブ)の切除が必要になります。手術を行わなくとも破れた穴が自己治癒で塞がればとりあえず改善しますが、初発の方で手術による原因部分の切除を行わない場合の再発率が50%と高率であり、再発の方ですと更にその確率は上昇しますので、原因部分の切除は重要な治療です。当院では気胸の全患者さんに低侵襲な完全胸腔鏡下手術を行い、早期に通常の生活に安心して戻れるように貢献しております。
 当科は毎日手術室を使用でき、また麻酔科医師や手術室スタッフの協力もあり、手術を行うとなれば一日でも早く行えるような環境にあることも、患者さんの早期社会復帰に寄与できると考えております。
 さらには、気胸は大半が20歳前後の若年男性に発生するのですが、この年代は高校生や大学生といった学生ですので、一旦手術を回避して改善を得られたとして、その後夏休みなどの長期休暇を利用しての手術希望などにも柔軟に対応しておりますので、どうぞご相談ください。(『胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの))』に相当します)
 
【診断のついていない肺・胸腔内病変について】
 良性の肺腫瘍や炎症で肺内に“しこり”が出来ることがあります。気管支鏡などでの確定診断が難しいため、“肺癌が否定できない”、モヤモヤとした不安な日々をお過ごしになると思います。その際に、可能な限り完全胸腔鏡下の低侵襲手術で、切除範囲もできるだけ少なくし、診断と治療を兼ねた手術を行っております。肺のしこりを指摘された場合、いつでもご相談ください。(『胸腔鏡下肺切除術(部分切除)』に相当します)
循環器内科・不整脈科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 685 1.27 1.63 0.15% 66.86

アブレーションパス(PSVT)

K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 444 1.86 4.17 0.45% 71.17

冠動脈インターベンション手術(橈骨アプローチ)


冠動脈インターベンション手術(下肢アプローチ)

K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 304 4.55 10.83 11.51% 82.64

TAVI

K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 303 2.03 7.73 2.64% 76.90

末梢動脈疾患カテーテル治療

K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 188 0.03 13.39 5.32% 68.64

冠動脈インターベンション手術(橈骨アプローチ)


冠動脈インターベンション手術(下肢アプローチ)

頻脈性不整脈
 頻脈性不整脈(脈が早くなる不整脈)の根治治療として、経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)が推奨されます。循環器疾患の中でも比較的平均年齢が低い患者さんが多く対象とされています。治療方法には、心房中隔穿又は心外膜アプローチを伴うものと、伴わないものがあります。前者の方が一般的に治療の難易度が高いとされておりますが、当院にはこれらの治療に対する豊富な経験があり、治療に伴う合併症率も全国平均と比較して低です。その結果として、患者さんの入院期間の短縮にも注力しています。現在、主要な不整脈の治療に関しては、2泊3日の比較的短期の入院で治療可能な環境を持っています。短期入院のメリットとして、患者さんの入院日程調整が容易になるだけでなく、入院中の認知機能や体力の低下を防ぐことができますし、コロナ感染含めた感染症の拡大防止にも寄与しています。短期入院における安全性について、昨年度は合計685人の患者さんのデータをみると、平均術前期間1.27日、平均術後日数1.63日となっており、大きな問題は発生していません。
 頻脈性不整脈を抱える患者さんは年々増加しており、今後も治療対象の方が増えることが予想されます。そのため、その治療の重要性はさらに増してきています。もし不整脈の治療が必要で悩んでいる方がいらっしゃいましたら月曜日~金曜日まで毎日不整脈外来をやっておりますので、お気軽にご相談ください。

経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの・急性心筋梗塞に対するもの)
 心臓に栄養を送っている血管を冠動脈といいます。虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は冠動脈が狭くなり、充分な血液が心臓にいきわたらなくなる病気です。経皮的冠動脈ステント留置術とは狭くなった冠動脈を拡げる治療法です。ステントという金属製の網状の筒を冠動脈内に挿入し、狭くなった血管を内側から支えます。この治療により心臓に充分な血液がいきわたるようになります。当科で最も力を入れている分野です。
                                         
経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術)
 弁膜症は、心臓の扉である弁の病気です。狭窄症は弁が狭く、逆流症は弁に漏れがあります。息切れなどの症状を伴います。これまでは、手術による治療が一般的でしたが、最近では、カテーテルを使って大動脈弁を人工弁に置き換える方法も広まってきました。
 経カテーテル大動脈弁置換術は、胸を切開せずにすむため、体への負担が少ないという利点があります。

四肢の血管拡張術・血栓除去術
 最近は下肢(足)の血管が狭くなったり詰まったりし、そのために治療が必要になる患者さんが増えています。症状は間欠性跛行といい、歩くと足が痛くなり長距離の歩行が困難になる病気です。冠動脈と同様、カテーテルによる血管拡張術が必要になり、この分野も積極的に治療を行っています。

心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 78 6.19 15.53 2.56% 66.47

冠動脈バイパス術

K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 40 4.13 10.15 2.50% 68.48

胸部大動脈瘤ステントグラフト挿入術

K560-22ニ オープンステントグラフト内挿術(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの) 37 1.65 25.22 16.22% 65.57

オープンステントグラフト内挿術術前


オープンステントグラフト内挿術術後

K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 37 2.68 5.49 8.11% 76.57

腹部大動脈瘤ステントグラフト挿入術

K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁のもの) 26 4.23 12.77 0.00% 64.81

弁置換術・形成術

①冠動脈バイパス移植術
 狭心症や心筋梗塞の診断は循環器内科で行い、カテーテル治療か冠動脈バイパス手術をそれぞれの患者さんの状況に応じて適切な選択を行なっています。当科では両側内胸動脈、腕の動脈を積極的に使用し、長期のグラフト開存率を考えた手術を行うようにしています。また、人工心肺を簡略化したミニポンプを使用することにより、たとえ、心機能が低下した患者さんに対しても安全に多くの枝にバイパスすることを常に考え、治療を行っています。

 ②④非破裂性大動脈瘤(人工血管置換術、ステントグラフト内挿術)
 大動脈瘤の中で主として動脈硬化のために血管が弱くなり、膨らんでくる動脈瘤を真性大動脈瘤といいます。大動脈が拡大しても無症状であることが通常ですが、破裂すると直接命に関わります。大動脈瘤の大きさ、形状から判断して適切なタイミングで予防的に治療する必要があります。
 大動脈の手術は開腹または開胸でアプローチして瘤化した大動脈を人工血管に取り替える手術(人工血管置換術)と形状記憶合金のバネ付きの人工血管を瘤の中に留置するステントグラフトを内挿、留置する手術(ステントグラフト内挿術)があります。人工血管置換術は、人工心肺装置を用いる手術で、脳血管、腹部分枝血管の分岐する部位の大動脈瘤の場合に適応になります。ステントグラフト内挿術は低侵襲であるため、瘤の位置、脳血管等の分枝との位置関係で条件を満たす場合適応となります。どちらの治療法を行うか。動脈瘤の形態、患者さんの体力、年齢等から慎重に検討して行っています。

 ③解離性大動脈瘤 オープンステントグラフト併用人工血管置換術
 急性大動脈解離は突然に激しい胸背部の痛みで発症します。大動脈の壁に亀裂が入り、竹を割るように全身の大動脈に亀裂が進展する病気です。心臓に近い大動脈は解離した場合、重篤で、解離が進展する血管の枝によっては、心筋梗塞、脳梗塞、消化管壊死、下肢虚血、下半身麻痺を併発することがあります。早急な診断と治療なしに生存することはできません。
 心臓に近い大動脈に解離があるA型解離では救命目的に緊急に開胸、人工血管置換術を行うことが必要です。全身の大動脈が広範に解離している場合も、当院ではステントグラフトを併用してできる限り、広い範囲を治療することで治療の完成度を高めています。背中側の大動脈解離のB型の場合、ステントグラフト内挿術を行うことで破裂、臓器障害を治療して救命します。早期対応が生死を分ける疾患です。当院では循環器内科、および心臓血管外科が24時間常勤して救急対応ができる体制をとっています。

⑤弁膜症・弁形成術 弁置換術 小開胸弁形成術置換術
 心臓には4つの弁があり、この弁が狭くなる、あるいは逆流をおこすために心臓に負担がかかっている状態を弁膜症といいます。坂道を歩いてのぼる時などに、息切れ・動悸などを自覚するようになります。当院では、循環器内科で患者さんの病状の評価を行い、内科外科の垣根なく、治療のタイミング、外科手術か、カテーテルによる弁膜症手術かを検討し、適切な治療法を提案致します。手術用ロボット、胸腔鏡を用いた小開胸アプローチの心臓手術が主となっており、より早期の日常生活への復帰を可能にしています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 1,594 0.03 0.78 0.00% 67.79

内視鏡的大腸ポリープ切除術

K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 186 1.00 5.26 0.00% 74.50

内視鏡下胃粘膜切除術

K688 内視鏡的胆道ステント留置術 161 1.81 7.26 5.59% 77.29

胆道ステント

K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 148 0.95 4.16 0.00% 67.24

大腸ESD

K6531 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜) 117 1.00 5.11 0.00% 71.74

内視鏡下胃粘膜切除術

【当院の特徴:最新の機器による経験豊富な内視鏡治療、24時間救急応需】
 当科では、迅速かつ安全な内視鏡治療を提供するように心掛けています。
 近年増加傾向である大腸ポリープに対して、大腸検査時に見つかった小さなポリープはその場で切除も可能で日帰りでも行っています。
 早期胃癌や早期大腸癌の内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)は最も得意とする領域で、数多くの経験豊富な内視鏡医が、難易度の高い症例も含め多数の症例を手がけています。早期癌発見と内視鏡切除時の正確な範囲診断のために、最新式ハイビジョンカメラや拡大機能(更に520倍の超拡大観察も可能)、特殊な光(NBI)、色素などを用いたり、発見された癌に対して超音波内視鏡という腫瘍の断面の画像が得られる内視鏡を使い、より精度の高い検査や治療を実施しています。
 胆管領域で緊急性の高い総胆管結石による閉塞性黄疸や胆管炎、胆嚢結石による急性胆嚢炎に対しても緊急内視鏡治療や胆嚢ドレナージなどを多数行っております。

消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 207 0.89 4.14 0.97% 63.04

腹腔鏡下胆嚢摘出術

K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 121 2.26 11.71 0.83% 69.22

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 50 2.16 15.00 0.00% 67.60

胃切除術(開腹・腹腔鏡下)

K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) 49 2.22 11.12 0.00% 67.55

直腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 43 2.05 16.70 9.30% 76.14

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

【腹腔鏡下胆嚢摘出術】
 胆嚢結石症や急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下手術によって胆嚢を摘出する手術です。術後は通常、4日程度で退院となります。
【腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、腹腔鏡下直腸切除・切断術】
 近年増加している大腸癌(結腸癌と直腸癌)を腹腔鏡下手術によって摘出する手術です。癌をその周辺のリンパ節と一緒に切除し、腸をつなぎ直します。手術の2日前に入院していただき、入院から約2週間で退院となります。
【腹腔鏡下胃切除術】
 胃癌に対して、周囲のリンパ節とともに胃を部分的にあるいは全て切除する手術です。殆どの症例を腹腔鏡下手術で切除しています。胃切除後は“食べること”に慣れる必要があるため、大腸癌手術よりも入院期間はやや長くなります。
【結腸切除術】
 結腸癌に対しては腹腔鏡下手術を第一選択としていますが、癌そのものが大きい場合、癌によって腸閉塞が引き起こされている場合は、従来通りの開腹による手術を選択します。この手術はご高齢の患者さんが多くなっています。患者さんの病状、病態を冷静に見極め、安全第一の手術を提供しています

 今年(2024年)から胃癌と直腸癌に対しては腹腔鏡手術の進化版とも言えるロボット支援下手術を導入しています。患者さんの疾患、病状にあわせて、最適の手術術式を提案し、提供していきます。

肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 92 1.48 9.89 3.26% 64.50

腹水濾過濃縮再静注法

K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートルを超えるもの)(その他のもの) 77 4.77 6.55 0.00% 73.87

ラジオ波焼灼術

K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 63 1.97 13.56 4.76% 73.94

肝動脈塞栓術

K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートル以内のもの)(その他のもの) 27 4.85 7.11 0.00% 70.89

ラジオ波焼灼術

K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 16 1.75 16.06 0.00% 69.88

肝動脈塞栓術

肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法
 腫瘍の大きさが2cm以内または2cmを超えるものや肝動脈化学塞栓療法等の組み合わせによるラジオ波焼灼療法は100件以上に対して治療を行っています。同様の効果が得られるとされるマイクロ波凝固治療も行っております。高精度エコー機器、フュージョン画像を使用した治療を行うことにより大きな副作用もなく治療を完遂しているため、患者さんの状態が良く転院率も低く抑えられています。最近は、治療に伴う疼痛、苦痛を緩和する目的で鎮静剤を用いた治療も積極的に行っております。肝細胞癌に限らず、転移性肝癌に対しても適応を十分に評価して、治療を考慮しています。他臓器に近い肝癌に対しては、人工腹水を作成して治療を行う場合もあります。
 
胸水・腹水濾過濃縮再静注法
 肝硬変・肝癌患者の症例数が増加するに伴い、利尿薬だけではコントロール困難な難治性腹水・胸水の患者さんが増えております。その方々に積極的に胸水・腹水濾過濃縮再静注法を施行しており、当院では年間約100件治療を行っています。この治療を行うことで、食欲の増加や呼吸苦の改善が得られるため、生活の質を高める有効な治療法となっています。また、その後の利尿剤の効果が増加する患者さんもおります。入院期間は患者さんの状態や希望によりばらつきがありますが、多くの患者さんが、安全に治療を終了して日常生活に復帰しています。

血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)
 肝細胞癌や肝細胞癌の他臓器転移、多血性転移性肝腫瘍などに対して血管塞栓療法を行っています。治療方法も薬剤溶出性ビーズを用いた塞栓療法やバルーンカテーテルを使用した塞栓療法、また、超細径マイクロカテーテルを使用した超選択的塞栓療法など、患者さんの状態に合わせて治療を行っています。また、進行した肝癌に対して血管塞栓術後に持続肝動注療法を行う治療も行っております。治療効果も良好であることから、近年、紹介患者数は増加傾向にあります。免疫チェクポイント阻害剤や分子標的剤の治療効果が限定的であった患者に対して、手術後の治療として施行するケースもあります。
 
 血管塞栓術(その他のもの)
 脾腫を伴う肝硬変患者に対する部分的脾動脈塞栓術や動脈瘤のコイル塞栓、内視鏡で止血が難しいような緊急性の消化管出血に対する血管塞栓、巨大肝嚢胞の栄養血管塞栓などを行っています。大きな副作用なく安全に施術でき、治療により全身状態が改善する患者さんがほとんどであり、転院率も0%と低く抑えられています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 21 0.12%
180010 敗血症 同一 - -
異なる 61 0.35%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 86 0.49%
異なる 84 0.48%
 細菌が血液中に広がってしまう敗血症は、治療中に起こりえる重篤な合併症です。当院では、免疫力が低下してるために敗血症を発症するリスクが高い、多くの患者さん治療しています。しかし、当院での敗血症の発生は0.35%で、全国DPC対象病院の平均0.52%と比較すると低値でした。
 手術・処置等の合併症で“入院契機が同一”とは、退院後に合併症が発生した患者さんや、他院での治療で合併症が発生し当院に転院して治療した患者さんです。“入院契機が異なる”とは、当院での手術・処置後に合併症が起こり、入院継続で治療した患者さんです。
  手術や処置、各種検査では合併症が起こらないように細心の注意を払って行っています。しかし、それでも一定の確率で発生するのが合併症であり、治療・検査前に十分に説明を行い、ご理解していただき、同意をいただいた上で治療・検査を行います。また、合併症が発生した場合には可及的速やかに最善の処置を行っています。

 患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示しております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,062 1,047 98.59%
周術期の予防対策は、肺血栓塞栓症の発生率を下げることにつながります。当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の患者さんのうち、98.59%の患者さんに予防対策を行っています。これは当院と同規模の病院の全国平均値 91.18% (2023年度医療の質可視化プロジェクト、公益財団法人日本医療評価機構)よりも高いものでした。今後も合併症の減少、軽減に尽力していきます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2,567 2,469 96.18%
 血流感染症の診断において血液培養検査は必須です。
  一方、血液培養検査が1セットのみの場合は菌が検出されても真の起因菌か疑陽性か判定が困難となる場合があり、2セット以上の血液採取が推奨されています。仙台厚生病院では2セット採取が90%以上となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,200 847 70.58%
 感染症の治療開始時には起因菌が未だ判明せず、感染部位・感染症名から起因菌を推定して抗菌薬を決定することが一般的です。エンピリックセラピーといい、推定されたいくつかの起因菌に対応するために広域抗菌薬が選択されます。
 その際にも起因菌が確定すれば、起因菌に最適な狭域抗菌薬への変更が可能となります。
 院内の抗菌薬適正使用支援チームASTがこのような感染症診療を推進・支援していますが、広域抗菌薬投与開始前の細菌培養実施を強く推奨しています。
更新履歴
令和6年9月27日