ドクターインタビュー

循環器内科
東北における循環器領域で
最後の砦となるような
医療体制を目指して
DOCTOR INTERVIEW
循環器内科科長多田 憲生
#01

専門性の高いチーム医療の実践

当院は、目黒理事長が東北における循環器領域で”最後の砦”になるような病院にしよう、と心臓血管センターを新設して成長してきた病院です。いついかなる時も仙台厚生なら何とかしてくれる、と東北の皆様に認識していただけるような志を持っています。

そのために必要な人材、設備を有し、多少の難があってもチーム力で乗り切るだけの総合力の獲得を目指しています。実際、現場の我々はそのような自負を持って日々診療にあたっています。
循環器内科は、いまや広い領域を扱う分野になりました。すべての領域に最先端の治療を最大限に提供するために、我々は分野毎にその専門医を擁するチーム制をしいています。

循環器内科のチームは、狭心症や心筋梗塞などの心臓の血管の疾患を専門にする虚血チーム、不整脈チーム、足など心臓以外の血管を診る末梢血管チーム、弁膜症や生まれつき心臓内に穴があるようなシャント性疾患を診る構造的心疾患(SHD)チームと、エコーや重症心不全を専門とするチームがあります。

#02

幅広い領域に対応する循環器治療

急性心筋梗塞では患者さんが病院に入ってから、いかに短時間で治療に結びつけるかが重視されます。当院では、患者さんが病院に到着(Door)してから治療効果が反映(Balloon)されるまでの時間(Door-to-balloon time)が全国的な平均よりも早く、60分以内で達成出来ています。
これを、24時間365日展開できる救急体制は、循環器内科2名、心臓血管外科1名の当直体制を保持できるマンパワー、コメディカルの能力の高さ、充実した設備などの総合力によって成し得られるものです。
それに加えて先ほど述べた広い循環器内科領域に対して、以下のような診療をおこなっております。

心房細動に代表される不整脈治療は、カテーテルアブレーションやペースメーカー、内服コントロールなどのトータルマネージメントをおこなっています。

“歩くと足が重くて休みたい”“つま先の傷が治らない”といった足の症状は血管が狭くなってしまっている、というような状態が考えられます。それらはカテーテルで治療することができますので、患者さんの生活の質も上がり、循環器診療の中でも大事な分野の1つです。

弁膜症や生まれつき心臓内に穴があるようなシャント性疾患を専門とする構造的心疾患は、TAVIやマイトラクリップなどの先進医療を行っており、東北だけにとどまらず、首都圏などから来院する患者さんも多数いらっしゃいます。

エコーやCT、MRIなどの検査に関しては最新設備と十分な人員が整っており、速やかに的確な精密検査を行うことが可能です。集中治療室では、最新補助循環装置によって超重症心臓疾患の管理が可能です。また、ドクターカー(モービルCCU)を備えていますので、登録医の先生のご用命があればいつでも迎えに行くことが可能です。

心臓血管外科とは密にコミュニケーションをとっています。外科の先生は非常にフランクに対応してくれる医師ばかりで、領域の隔たりなくサポートし合っています。

#03

患者さんに寄り添った治療法を提案します

歩くと胸が苦しい、階段を上ると息が上がる、動悸やめまいがする、といった際には心臓の症状を疑ってください。胸がギューっと締め付けられるのが治まらず、冷や汗、吐き気を伴う、といった症状は、心筋梗塞など緊急性が高い症状であり、若い方でもみられる場合もありますので、注意してください。

検診で心臓の異常が指摘された場合でも、エコーやCTなど痛くない、負担の少ない検査が勧められます。高精度な医療機器とその専門家がいますので、精度の高い検査を行い、適切な治療方針を提案することができます。

また、心臓と頭は密接に関係しています。脳梗塞の予防としての心臓治療という考え方も最近はでてきました。

生まれつきの心臓の疾患に対する治療も専門性が高いです。当院では、このような成人先天性心疾患の治療も行っております。

ご自身の治療方針について、他の意見を求めるセカンドオピニオンも行っておりますので、ご相談に乗ることもできます。

#04

どんな症状でも、レベルの高い医療を提供します

地域の先生方には、患者さんのどのステージにおいても、気になった段階で一度ご紹介していただきたいです。評価を行い、患者さんにあった治療方針を提案します。まだ大きな治療が必要ではないというステージの患者さんにおいても、薬物療法や運動、食事の指導を含めてご提案させていただきます。

治療後の患者さんにおいては地域医療連携病院として、積極的に地域の先生方に逆紹介をしてお返しします。当院へは、必要に応じて年一回程度の定期受診として診てフォローさせていただきます。

県外など遠方の患者さんにおいては”仙台まで行くのが遠い、だから治療をあきらめる“ということもあります。確かに、通常のやり方ですと①初診日は外来受診。検査を行なった上で、②外来で結果説明し、入院日の設定し、③入院、というように入院するまでに三往復ということも間々あります。我々は、それで治療をあきらめてほしくはありません。
TAVIなどの施設が限定された高齢者の患者さんが対象の治療では、あらかじめ先生方と連絡をとって、初診日に入院しそのまま治療、という”一往復にて治療完結“も行っております。是非、地域医療連携室にご連絡ください。

#05

当科への就職を希望される医師へ

当院は様々な領域の患者さんが多く来院します。“Nが医者を育ててくれる”とよく教えられました。Nとは症例の数です。沢山の患者さんを経験することが医者としての糧になる、という意味です。私もそうやって沢山の経験をしてきました。そして、今でも毎日新しい経験、発見をします。先端医療を行うハイボリュームセンターだからこそ、これが可能なのです。

当院での研修は各チーム制のローテーションをすることで循環器全般のプロ、いわゆるジェネラリストを目指すこともできますし、特定のチームに属して専門分野に特化したスペシャリストを目指すこともできます。循環器内科採用リンク

心臓カテーテル治療が我々の専門分野です。我々は、心臓カテーテル治療において、どの領域でも他に負けぬクオリティを提供できる、という自負があります。そして、それが個ではなく組織全体として成立しているという強みがあります。ともにその道を歩みたい、という若い医師が来てくれるのを待っています。先生方の熱意の分だけ我々は先生方にチャンスを提供することができます。

経歴

  • 静岡県出身
  • 2003年 東北大学卒業
  • 2003年 古川市立病院 (現大崎市民病院)
  • 2005年 仙台厚生病院循環器内科
  • 2007年 みやぎ東部循環器科
  • 2007年 Cedars-Sinai Medical Center
  • 2009年 三友堂病院
  • 2009年より仙台厚生病院循環器内科
循環器内科科長多田 憲生

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