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現在位置:トップページ > 医療関係者の方 > 放射線科 >骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌に対する放射性ラジウム注射薬による内用療法 / 放射性ストロンチウム(89Sr)「メタストロン®」を用いた難治性がん性疼痛緩和療法

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骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌に対する放射性ラジウム注射薬による内用療法


平成29年7月1日より、当院放射線科にて、放射性塩化ラジウム注射薬(ゾーフィゴ注)を用いた内用療法を外来診療として開始致しました。

本療法は骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌の治療法のひとつとして位置づけられるもので、当院放射線科では、本療法を行うための設備等を保有しない施設で前立腺癌の治療を受けておられる患者さんへの寄与を目指し、本療法を導入致しました。当院放射線科では、内臓転移を伴わない患者さんを対象とし、化学療法との併用は行わないこととしております。また、外来通院可能な患者さんであれば外照射も可能です。

この度、勝手ながら先生方の御利用に資するよう、当院放射線科への本療法御依頼に関する資料等を送らせて頂きます。当院のホームページからもダウンロードできるようにしております。

当院放射線科における本療法を御利用頂く事で先生方の診療、患者さんのQOL等に寄与できましたら幸いです。


  ⇒ ゾーフィゴ®の適応患者さんをご紹介頂く先生方へ(PDFデータ)


お電話によるお申し込み(お問い合わせ)
  仙台厚生病院 放射線科
  〒980-0873 仙台市青葉区広瀬町4-15
  • 電話番号:022-222-6181(代表)
  • FAX番号:022-223-8442(地域医療連携室)

放射性ストロンチウム(89Sr)を用いた難治性がん性疼痛緩和療法



<はじめに>

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【図1】

がんが進行してきますと、骨転移などにより痛みが生じます。 この為日常生活動作(ADL)が低下し、生きる質(QOL)の低下を招きます。

【図1】に乳がんの症例を示します。右側が通常のFDGを使用したPETですが、病変はほとんど見えません。左側は骨シンチをPETでおこなったものです。すると胸椎、腰椎、肋骨などに多発性の集積を認めます。乳がんや前立腺がんは転移巣に間質成分が多く、この為FDGの集積は少ないですが、周囲の骨組織との反応は盛んで、このようにFDG/PETと骨のPETでは乖離をもたらすことがあります。

このような骨転移によるがんの疼痛を緩和する目的で行う放射性ストロンチウム療法に我々は積極的に取り組んでおります。その実施件数は2009年12月時点で日本一を誇っています。

<ストロンチウムとは>

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周期律表で見ますと、カルシウム(Ca)の下にSrとあるのがストロンチウム (以後Srと略記) です。周期律表の上下に並ぶ物質は化学的性質が似ています。この為、Srは体内に入るとカルシウムと同じような挙動を示します。このSrのうち、β線という放射線を出すものが今回の主役です。

<放射性Srを用いたがん疼痛緩和療法>

Srの作用機序は未だ正確にはわかっていませんが、以下のように考えられています。

放射性Srを体内に投与しますと、骨代謝の盛んな組織に分布し、そこから約2mmの範囲(最大8mmの範囲)にβ線を放出します。骨代謝が盛んな組織は、多くの場合がん組織と接していますので、がん組織は24時間の放射能を照射されることになり、放射線治療と同じような形で代謝の低下やある場合には壊死に陥ると考えられています。 そのために腫瘍の圧迫などが減少し、痛みが軽減すると考えられています。

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<がん疼痛緩和療法の実績>

【図2】にSr投与後の効果についてまとめました。約半数(46%)の方で麻薬や鎮痛剤の使用が無くなり、約4割(36%)の方で麻薬や鎮痛剤の使用量を減少させることができました。

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【図2】

以下、症例を提示します。

症例1は原発不明がんの症例で、アリセプトを服用している為、麻薬の使用がためらわれた症例です。FDG/PETでは肩や脊柱にFDGの集積を認めますが、1回目の投与2ヶ月後のPETではその集積は著明に減少しています。

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症例1

症例2は肝細胞がんの多発性骨転移の症例です。この症例の場合は合計5回のSr投与を行っています。経過中、膵臓がんの腹壁転移に対して放射線治療を行っています。疼痛緩和とともにAFPが著明に減少しています。

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症例2

このように、時々は治癒と思われる症例も散見されますが、病態の進行に伴い少しずつ重症化する例が多いようです。 症例3は前立腺がんの症例で、この症例の場合もFDG/PETの集積は投与後1ヶ月では減少、消失しています。しかし、肺転移が出現しました。

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症例3(a)
「PET画像」Sr投与後一ヶ月でFDGの集積が低下した。左腋嵩、腰椎、骨盤骨のFDG集積が減少している。

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症例3(b)
「PET/CT画像」PET/CTで同一部位を表示すると集積の低下が明瞭である。

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症例3(c)

症例4は乳がんの症例です。FDG/PETの画像では1回目より4回目の方がFDG集積が増加しています。この症例のALPと痛みの関係を【図3】に、CEAと痛みの関係を【図4】に示します。ALPは痛みと相関してその値を低下させていますがCEAはむしろ痛みの減少に反して増加傾向にあります。

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症例4

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【図3】

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【図4】

このように、一般的にはSrは麻薬や鎮痛剤の量を減らしたり、服用しなくてもいいようにして生活の質(QOL)を向上することが目的で、必ずしも余命を伸ばすのに役に立つわけではありません。

<Sr療法の適応と申し込み方法>

適応としてはまず次の項目を満たしておかなくてはなりません。

1.骨シンチで集積を示す骨転移があること

2.血液毒性があるので、血算がある基準を満たすこと

3.予後が1ヶ月以上望めること

が、必須条件です。

これらの細かな案件に関してはチェックシートをPDFにしてありますので、チェックをお願いします。骨シンチが行われていない場合は、当院でも実施可能です。その他腎機能が悪いと余分なストロンチウムが体外排泄されずに、被曝量が増すことがありますので、腎機能のチェックが必要です。

申し込み方法としては、チェックシートにデータを記載して、簡単な紹介状とともに、当院の医療連携室(FAX)にお送りください。内容をチェックして適応があると判断した場合には、患者さんに一度外来におこし頂き、さらに細かな検査や説明などを行います。 その日のうちに適応を判断し、1週間以内にはSrの投与を行います。

チェックシート.PDF 医療連携室 FAX 022-223-8442

全体としての流れは【図5】のようになります。

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【図5】

<Sr投与の実際>

Srの投与は、外来で行い即日帰宅が可能です。投与後1週間程度はトイレの水を二度流すなど生活に注意が必要ですが、それ以降は特別な生活上の注意はありません。

<Sr投与後の経過>

除痛効果は2週間目から1ヶ月くらいで得られ、2ヶ月目まで除痛効果は大きくなります。2ヶ月目以降はまた、ゆっくり痛みが増してくる例が多いようです。3ヶ月を過ぎますとSrの再投与が可能です。当院では2ヶ月目の除痛効果を維持できるようにすることを目標にしています。

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【図6】

【図6】に痛みの軽減度が経過でどのように変化するかを示しました。縦軸はVAS scaleといい、耐えられない痛みを10、まったく痛みのない状態を0として10段階で痛みの強さを表したものです。投与後、2ヶ月後でもとの痛みの半分くらいになり、その後Sr投与を継続することで、このレベルを保つことができます。

特に2回目の投与の効果は良好なようで1回目より痛みは軽減しています。一方、3回目や4回目投与になりますと病勢に負けて疼痛緩和効果が低減するようです。

1/3の患者さんで投与後1週間目頃に痛みが増強する現象(フレア現象)が認められますが、1-3日で治まるのが普通です。必ず治まりますので痛みが増強する間だけ、麻薬の増量などで対応をお願いいたします。

<Srの副作用>

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【図7】

大きな副作用は血液毒性です。【図7】に示しますように、Hb,WBC,血小板にいずれも徐々に低下傾向を示します。特に投与回数を重ねるごとにその低下傾向は高まります。Hbが低下した場合は輸血を、WBCが低下した場合には、GCSFで対応しています。血小板減少の場合は血小板輸血を行うわけですが、まだそのような症例には遭遇していません。これら血液毒性で注意すべきことは従来の抗がん剤の血液毒性と比較して、ゆっくりと、しかし長期にわたる血液毒性であるので、抗がん剤や放射線治療の併用を行うときは注意が必要です。

<Srの適応にならない症例>

Srの適応にならない症例としては
1)進行の早いがん
2)骨を越えた軟部組織進展で痛みが出現している例
があげられます。

【図8】は肺がんの症例ですが、3ヶ月で肝転移がほぼ肝臓全体に広がっています。このような症例は疼痛緩和の効果が出るまでの生存が望めませんので、適応になりません。

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【図8】

【図9】は肝細胞がんの転移症例です。多発性の骨病変を認め、痛みを訴えていますので、適応になりそうですが、MRIでは腫瘍は椎間孔を塞ぐ形で広がっており、外照射とSrの併用を行いました。

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【図9】

【図10】は乳がんの骨転移の症例です。骨シンチでは肋骨に一致したRIの集積を認めます。しかしCTでは胸壁浸潤を呈しています。このような場合は痛みは胸膜刺激によって生じていますから適応にはなりません。

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【図10】

<最後に>

Srは症例を選択すれば、非常に強力な疼痛緩和の武器となると思われます。現在麻薬による疼痛緩和が広く行われるようになってきましたが、腸管運動抑制などで麻薬の増量が望めない症例や、多発性骨転移で照射が間に合わない症例など今まで先生方が、臨床で困難を感じていた症例の一部では劇的改善が望める可能性があります。

お気軽に、相談のご一報をいただければ幸いです。

<参考文献>

  • 山口 慶一郎 ”放射性ストロンチウム(89Sr)複数回投与骨転移疼痛緩和療法の
    初期成績”;臨床放射線 Vol 54(12) 1649-1657, 2009

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